うどん本陣 山田家

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山田家

山田家

手で揉み、手で打ち、足で踏む。

そのうち麺が語りかけてくる。

温度や湿度など些細な環境の変化で、熟成具合が変わる。
「小麦粉と塩と水」
シンプルな素材を使ううどんの難しさはそこにあります。
山田家でよくお客さまから声をかけていただくのが
「朝食べても夜食べても味にブレがないね」というお言葉。
本店の営業時間は十時から二十時。
実は当たり前のようで、これが本当に難しいことなのです。
だからこそ、山田家で徹底しているのが「足踏み・菊練り・手打ち」。
手作業を行ううちに麺がどんな状態か感じとれるようになるのです。
それはいわば、麺との対話。
麺の声を聞きながら、今日も職人たちがうどんをつくり続けています。

  • 足踏み、手打ち、そして菊揉み。

    讃うどんの持ち味は、滑らかな表面と、断面がしっかりと鋭くとがった半透明の麺。そこから生み出された麺のつるっと喉越しがよくもっちりとした弾力の食感は “手打ち”ならではのもの。というのも、讃岐うどんの麺というのは大変デリケートだから。夏と冬で、塩加減、水加減が異なることは、よく耳にするかと思いますが、例えば朝一番に打った麺と、二番目の麺、打つ時間にして十分しか違わなくても、生地の状態は変わってくるのです。

    刻々と変化する熟成具合など、機械ではなかなか見ることができない生地の状態をしっかりと見極めながら打つことができる。だから、山田家では職人が日々「足踏み・菊揉み・手打ち」を続けています。手や足を使って作業をすることで、徐々に生地の状態がわかるように。生地の感触を足で感じながら、負担をかけないように優しく優しく鍛えていくのが、足踏み。縦と横からしっかり鍛えたら、次は菊揉みで円状に圧力をかけ、グルテンの層を複雑にしていきます。そうして鍛え上げられた麺を、さらにどこまで打てばよいか確認しつつ、手打ちでなめらかな麺へと仕上げていきます。これらのどの工程であっても無理な力を加えるのは厳禁。麺の表面が荒れ、気泡が入ってしまい喉越しが悪くなったり、茹でた際に麺がブチブチとちぎれる原因になるのです。

    山田家では約20名のベテラン職人が、交替で常にできたて打ちたての麺を提供。お客様へ提供する時間帯に合わせて塩の濃度や熟成温度を管理しつつ、工程や時間を調整します。気温や湿度によってもさまざまに変わるその工程は何通りと言えるものではなく、すべては身に付けているもの。「いつ食べてもブレがない」と感じていただけるよう細部まで配慮してつくり上げています。